SUMMER FALL 22
「ファッション」は、名詞であり動詞。ファッションは、創り上げるためのプロセスでありその結果。専門技術のこだわりや、彫刻のような洋服、シルエットの探求、実験的なフォルムはALAÏA(アライア)の中核です。また、ドレスを縫製するスタッフやコレクション発表の場に集うコミュニティも必要不可欠な存在で、芸術形式に関する会話は常に人と人との対話で成り立っています。
クリエイティブについての対話は、人々やメディア、また移り変わる時代のなかで交わされ、アライアのコレクションの中心となります。現在と過去、そして未来のアライアについてのオープンで現在進行形の対話をもとに、コードを特定したり、建築を再考したり、まだ知られていない歴史について研究します。
ボディは常にコレクションの軸であり、基盤です。今季のコレクションでは、強調的なデザインを取り入れ、新たなカッティングでショルダーにボリュームをもたせたシルエットが登場します。スカートは踊り、ドレスは体のまわりを浮遊するような不可能を可能にしたデザインです。テーラリングはオーバーサイズで、体のラインをなぞるようにカーブしてカットされています。そのデザインは、かつてアズディン・アライアがグレタ・ガルボと出会い、彼女が身を隠すために付けた大きな襟がついたオーバーサイズコートの物語を思い起こさせます。彼女の謎めいたストーリーは、アライアの興味をかき立て、インスピレーションを与えます。
メゾンの素晴らしい功績やヘリテージは、素材とシルエットを通して呼び起こされます。ヴィシーチェックやパテント、パイソン、レース、ボディを見せるスクリム素材や、ピュアコットンポプリンやベルベット、そしてボディに沿ってしなやかに伸びる繊細なシームとネックライン。すべての洋服にアイデンティティが宿っています。
アズディン・アライアのクリエイティビティに内在するアートとの融合は、ピカソ財団とのパートナーシップにより、パブロ・ピカソの陶芸作品を刺繍とニットのドレスに変換することで表現しています。アズディン・アライアとクロード・ピカソの交流から生まれたこの作品は、クリエイティブディレクターのピーター・ミュリエが繋ぎ合わせ、ALAÏAのアトリエの巧みな技術に敬意を表して繊細で複雑に作り上げられたものです。ファッションはアートであり専門性の高い工芸であるという考え方を絶対的なものとしています。生地は特注で織られ、表面は精巧に作られ、不可能を可能にしています。
さらに、フランス人作曲家のGustave Rudman Rambaliが制作したサウンドトラックは、フィッティング中に作曲され、今回のコレクションとともに制作されました。親密さとクリエーションの過程を映し出すこのサウンドトラックは、コレクションの全体の流れやその精神と呼応しています。