SUMMER FALL 25
今回のアライアのコレクションは、歴史、地理、彫刻、そして今までと同様に女性たちへの考察から始まりました。それらすべては服の一部であり、服の内部に存在する要素と言えるでしょう。
彫刻家マーク・マンダースの作品が彩る今回のショー会場は、普段はアライアのアトリエであり、ファッションとアートの共通の基盤であるクリエイションのための環境となっています。
マンダースの作品にはいつも魅了されます。彼の彫刻のひとつひとつは、それ自体が制作途中の作品であるか、あるいは想像上の時間の経過を示す作品のようで、さまざまな文化を一度に彷彿とさせます。その空間と時間の非直線性が大きなインスピレーション源となりました。時代や場所、境界線にとらわれない美しさの規範という考え方は、アライアの哲学、つまり私たちのアイデンティティに繋がるものです。
カルチャーは、絶え間ない交流、進化の中でお互いを刺激しあいます。
このアイディアは、今回衣服だけでなく、「Liefde(リーフデ)」というショーのために作られたオリジナルのサウンドトラックにも反映されています。Gustave Rudman(グスタフ・ルドマン)が作曲を手掛け、詩人のKhalil Gibran(ハリール・ジブラーン)の詩「Aatini al-Nay wa-Ghanni」を、ソプラノ歌手のFatma Saïd(ファトマ・サイード)が歌う楽曲です。異なるルーツを持ち、離れた土地から生まれた音楽は、普遍性を反映しています。
今回発表する服は様々な歴史、異なる時代や場所を、フォルムやディテールを通して同時に表現しています。これらの歴史の痕跡を呼び起こすこと、つまり思い起こすことで、私たちは自分たちの時代のための新しいなにかを創造することができるのです。
服はまるでキネティック・アートのように動き、プリーツやドレープとともに生き生きと躍動し、女性の肖像画かのようにモデルの顔を縁取るフードは美の肖像を隠し、また露わにします。
このコレクションにおける「ボディ・コンシャス」とは、ドレスの内側にある身体(ボディ)を守り、包み込むことへの意識(コンシャスネス)を意味します。それはまた、フェミニティの意識そして反映を意味し、カーブやパッドを通して女性の身体の輪郭を映し出すように形作られた衣服、まるで盾や鎧のような役割を果たすレイヤーに表れています。
あなたの身体はあなた自身のもの。
今回のコレクションで私が伝えたいメッセージは、独自性、個性、女性の不変の強さと不屈の精神、そして服を通して女性たちにパワーを与えることです。つまり、常に創業者のアズディン、そして私にインスピレーションを与え続けてきた、美の強さです。
愛をこめて,
ピーター・ミュリエ
25年サマー・フォールコレクションを支えるノウハウとクラフツマンシップをご覧ください。